第32回 THE NAMBA
昨年末は、競技会役員、レクチャー、ダンスホールツアー、ダンスパーティー等、例年に比べてイベントの数が多く、コラムの掲載が遅れてしまいました。この原稿は年末に毎年訪れている宿、鶴の湯の囲炉裏端で執筆したものです。秋田県の乳頭温泉郷にある鶴の湯は秘湯として有名で、雪降る中の露天風呂が最高な、お気に入りの宿なんです。元藩主の湯治場だった宿は、藩主の詰め所だった本陣を改装し、囲炉裏端で食べる料理は格別で、温泉好きの自分にとっては、この日を楽しみに12月の仕事をがんばってきました!寒い時期には寒い所へ、暑い時期には暑い所へ旅に行くのが自分の旅スタイルです。
ところで先月、NATD主催のレクチャーで、CBMとナンバの関係について講習しました。NATDメンバーの他、教師資格を持っている方々を対象にゲスト講師として招かれ、テーマは何でも構わないということなので、分かりづらい説明を覚悟の上で「ナンバ」を取り上げました。このコラムを担当して2年半になりますが、今までナンバをテーマにしたことはありませんでしたねぇ。
2003年、古武術をテーマにしたNHKのテレビ番組を見ていたとき、今まで自分が考えていたナンバの概念が180°変わりました。かっこ悪いもの、やってはいけないものと思っていたナンバが、実は身体を効率良く使う上で大変役に立つということに気が付いたのです。今までモヤモヤしていた踊り方に一気にケリがついた感じがしました。
2004年ダンスファン8月号に自分が執筆した『古武術的要素に学ぶダンス上達術』の特集は、大きな反響を呼び、その後、様々なナンバを応用した著作が発行されてきたのをご存知の方も多いと思います。
欧米人と日本人ではなぜこんなにも踊りのパワーが違うのかという点も、ナンバ(欧米人は特に意識していない)でその一部が解明することが出来るような気がします。今回から数回に渡り、ナンバをテーマにしたコラムを続けていきたいと思います。乞うご期待!
藤本明彦
(2011年1月1日更新)